Yellow Magic Night出演

久々の更新となってしまった当ブログの二本の柱といえば「台湾をはじめとする中華系」そして「音楽」。
そもそも長らく勤めていた会社を辞めたのも「もっと外国に行きたい!」との思いからだったのが、コロナのおかげでそれがままならなくなった。
日本にいながら出来る事といえばせいぜい華語の勉強か、情報収集くらい。
 
そして音楽。
ここでも記事にしている通り、YouTubeでは主に台湾ポップス(林強ばっかりだけど)のカバー動画を上げていますが、これは自分なりに好きな音楽を通して台湾と繋がりを持とうという目的がある。
 
そのために楽器の出来ない自分はPCで音楽を製作するDTMを学びました。
よくDTMについて「楽器が出来なくても」「誰でも音楽が作れる」という表現を見聞きしますが、それはある機能内においての話。
ここでは詳しく書きませんが、ちゃんとしたものを作るには音楽的な知識や感覚が少しばかりはないと到底出来るはずもなく、必然的に色々と音楽的な事も勉強する流れになります。
さらにはギター。
ギターの音を「弾いている風に」打ち込むのって結構難しい。どうしても打ち込み臭がしてしまい、カラオケ音源っぽくなる。
そのために学生時代に買ったのに今だに全然弾けないギターを練習するようになったのですが、今まで何だったのというくらいハマってしまい、何一つ長続きしない自分からは信じられないくらい毎日ギターを触ってる。
 
そんな風に音楽を奏でることに生活が傾倒し、華語の勉強は何処へやら・・・。
 
カバー動画も決してネタ切れとか飽きたとかではないのですが、今は「音楽のスキルをもっと向上させたい」というモードに入っている状態です。
(まぁ、実はここに台湾に関する目的も隠されているのですがそれは別の機会に)
そして勉強も兼ねてジャンル関係なくYouTubeで色んな人のカバー動画を見漁っていると、YMOの曲が出て来た。
 
当ブログでは細野晴臣さんの事を書いたことがありますが、昔からYMOが大好きなので片っ端から動画を見まくり。
すると、あるライブ映像を見つけました。
 
YMOの曲を何曲もやっている。カバーバンドか。
添えられた文章を読むと、YMOカバーのためのイベントという事だった。その名も『Yellow Magic Night(YMN)』。しかも地元・千葉で年3回も定期開催されているというではないか。
コロナ前はライブを観に行く事がライフワークでYMOも大好きなのに、何故今までこのイベントの情報に当たらなかったのだろう??
 
◼️◼️人生初のライブ出演へ◼️◼️
 
ひとまずこのイベントは観に行きたい。コロナ後はライブには一切行っていなかったのですが、次回は配信もあるとの事。
かくして自宅にて初めての『第33回 Yellow Magic Night』を拝見。
 
内容はバンド演奏だけでなくトークコーナーや、飛び入り参加OKのセッションタイムなど様々で、長丁場ながら飽きのこない構成になっている。
ステージ上で演奏されている方々はYMOに対する思い入れはもちろん楽器の腕前もかなりのもので、さすがは日本が生んだモンスターバンドの名の下に集まった人達だと目を丸くした。
 
ちなみに僕は若かりし頃、ビートルズ好きな友人達とよくカバーバンドが出演するライブハウスに行ったりしていたのですが、同じようにコアなファンの方々を目の当たりにしていたのでその頃の記憶が甦ったりもしました。
 
なのに・・・。
このツワモノ達の集いを配信で観た後にひとつの感情が込み上げて来た。
 
「これに出たい!」(なんでやねん)
 
いや、それくらい楽器が弾ければいいのだが、先述のように楽器が出来ないのでDTMを始めたクチだし、ギターもまだまだ練習中。
何よりYMOという事で出ている方々はキーボーディストが中心。鍵盤は打ち込みの際に使用するのみで演奏なんかとても出来ない。
 
しかし、頭の中にはあのステージに立っているイメージが浮かぶ。何の根拠もなしに。
これは昔からのクセで、面白い物事を見ると何故か自分もやりたくなってしまう。
 
あともうひとつは、DTMで音楽を趣味にしていてもYouTubeにカバー動画を上げるのみでさして多くの人に観られている訳でもなく、ただの自己満足になっていて目標も成功体験もないためモチベーションが保てないでいるのも事実。
せっかくやっているのだから何かステップアップのために挑戦したかったという衝動だったのかな、と思う。
 
よし、ここは自分の武器(というほど出来ないけど)であるDTMを使って一人で乗り込もうと、さっそく選曲を開始。
決まった曲からDTMで打ち込みを開始。
しかし途中で「DTMでトラックを作って歌を歌う・・・おっさんがカラオケしてるだけじゃん!そんなの誰が観たいんだ??」という恐ろしい事実に気付く。
 
ここはやはり楽器を・・・ギターを持つしかないなと、ギターありきの選曲にする。
ただギターを弾きながら歌も歌うとなるとグッとハードルが上がる。弾き語りの練習なんてした事ないし。
なのでギターに関してはなるべく添え物程度で、出来るだけ簡単にしようと計画。
曲によっては全く弾かないのもアリにしよう、などなど。
 
そんなこんなで数曲のボツを経て最終的に6曲を用意。
打ち込みが大方終わった段階でYMNのツイッターアカウントにDM。
果たしてこのスタイルでも出られるのか・・・?
しばらくして返信が来る。スタイルは不問との事。
 
そして2022年4月16日開催の『第35回Yellow Magic Night』への参加が決まったのです。
 
◼️◼️無謀な挑戦◼️◼️
 
そこから自分がこの形でライブをするのに何が必要かを一つずつ調べる。
すると、今まで部屋でDTMしかやって来なかった自分には何もかもが足りていないという事がどんどん明らかになっていく。
 
まず機材。ギターの音作りを全てDTM上でしていたためエフェクター類を持っていない。
部屋にアンプもないからライブハウスのアンプってどうなんだろう?
そして打ち込んだトラックをどう流すのかも分からない。
よく考えたらギターを立って弾いたのなんて高校時代学園祭で即席バンドをやった時以来だぞ???
 
もう、機材、経験、知識・・・俺、何にもないなぁ。出る事が決まった後でいかに無謀な挑戦を始めたかを思い知る。
幸いなことに僕には音楽の師匠にあたる方がいるので、あらゆる事を相談して的確なアドバイスを頂いた。それがなければどうなっていたか。本当に感謝しかない。
 
自分でも色々初歩の初歩から調べて、初めて知る事も多くそれはそれで楽しく、充実感もあった。これだけでも挑戦した意味があるではないか。てか、今までが不勉強だっただけという説もありですが。
 
今回のために機材を揃え、そして練習のためにスタジオに通い、決して安くない資金を費やした。自分への価値ある投資である。
自宅でも本番を想定した練習を重ね、トラックもミックスや音圧調整など最後の最後まで修正を繰り返すなど本番前の1ヶ月はそればかりを考えて生活していた。
 
やってみて気が付いた。
 
結局ギターめちゃめちゃ弾くじゃん・・・!
 
果たして人生初のライブ、本当に一人で出来るのか?
 
実感がなさすぎて緊張すらしない。どこかで他人事のようにも思える。おっさん特有の鈍感力を発動しているのか。
今思えばもう少し危機感持って練習したかったなぁ。。
 
こうしてずっと先だと思っていた本番の日を迎える。
 
 
◼️◼️ライブ当日◼️◼️
 
事前の連絡では「当日リハーサルをするので14時頃来て下さい」との事だったので、9時から13時までスタジオを取って練習。やはり当日いきなりは不安すぎる。
すると、思わぬところが出来ない。しかも何ヶ所も。今までミスしてなかったのに・・・。
朝早いせいなのか、それとも緊張か。少し焦る。
4時間やって完璧とはいかなかったけど、まぁ出来る事はした。後はやるしかねぇ。

そして会場である千葉LOOMへ。
地階にある室内に入ると主催者の方々によるバンド“THE ENDOH OF ASIA”の皆さんがリハーサルをしている最中だった。
 
とりあえず空いている場所に荷物を下ろし、自分のリハの準備をする。
 
ほどなくして“THE ENDOH OF ASIA”のリハ終了。挨拶もそこそこにステージに向かう。
 
結局トラックはCD-Rに焼いてPAさんに流してもらう事にした。ノートPCを持ち込もうかと思ったけど自分のPCはすっかり動作が遅くなっているおじいさんPCなので無理だと判断。
しかし、以前スタジオで練習した時、そのルームのCDデッキとの相性が悪く再生出来ない事があった。
そんな事もあろうとその時は予備としてスマホにもトラックを入れていて、それで練習をした。
 
今回、もしリハでも同じ事が起きたらスマホを預けてそこから流してもらおうと思っていたが、無事再生出来た。
 
全曲通して流して頂き、実演する。客入れ前とはいえ、数人のスタッフさんや関係者の方がいる。初めての人前には変わりなく、やはり練習のままとはいかない。
舞い上がった状態であっという間にリハ終了。たくさんミスして修正点も見つかる。
 
やがて会場時間となり、お客さんが入ってくる。バーカウンターに向かって行列が出来る。やはりファンの多いイベントなのだと実感。常連さんも多いようだった。
よくよく考えたら歴史あるイベントに初めて来場するのにいきなり「出る側」って、バカなのか俺は。
 
いよいよイベント開始。まずはトークコーナーが二つ。自分はフロアの最後方に立って観ていた。
 
◼️◼️舞台には魔物が??◼️◼️
 
そして遂にバンド演奏の時間。自分の出番が来た。
ギターを持ってステージへ。
セッティングをして後は始めるだけ。リハを経て、不思議と緊張は感じていなかった。意識の上では。
 
フロアに向けて挨拶。するとすぐに1曲目を流してもらう段取りだったが・・・流れない。
あれ?ちょっと始めるの早かったかな?少し待とう。
 
しかしなかなか流れない。いきなりのトラブル?
何が起きてるのか分からないまま時間が過ぎる。
 
しばらくしてようやく曲が流れ始めた。
終了後PAさんと話をしたら、なんと本番になってCD-Rが読み込めなくなったとの事。恐れていた事態が本番に起きてしまったのだ。やはり大舞台には魔物が存在するのか・・・。
こんな事なら保険としてスマホも一緒に渡しておくんだった。というよりスマホで出来るなら初めから不安定なCD媒体など使わずにMP3プレイヤーでよかったじゃん!と後になってから気が付いた。
もしまたやる機会があったらそうしたい。
 
ではここからはセットリストと共に振り返ります。(反省と言い訳の弁を兼ねる)
 
①SOLID STATE SURVIVOR
ギターでYMOの曲を、と考えた時に浮かんだのがMAD CAPSULE MARKET’Sがカバーしたこの曲。ギターもこれなら出来るかなと思ったのですが、問題はボーカル。
原曲はデスボイスのようながなり声なのでそれはせず普通に歌うとしてもMAD風の歌い回しにするのかYMOに寄せるのかを最後まで迷っていた。
最終的に原曲っぽく歌おうと思っていたのに本番になったらどっちつかずになってしまい、最後まで迷いながらの歌唱になってしまった。
 
②無風状態
トラックはほぼ原曲通りで、ギターもフレーズはユニゾンなので結構練習したため大きくミスはしなかったと思うのですが肝心のソロでつまづく。
ソロも練習ではほぼほぼミスしなかったのに!エフェクターの音が良かっただけになおさら残念。
 
③スポーツマン
『細野晴臣トリビュート・アルバム』で幸宏さんが歌っていたバージョンを耳コピして簡略化。
ギターはコードストロークのみで簡単なのでこれは大丈夫、と思っていたら、最後のサビ前のブレイクでトラックが聴こえない・・・?(実際は聴こえてたんでしょうけど)というエアポケットのような状態に一瞬なってしまい、気が付いたらリズムから大きく遅れてる!ヤバイヤバイ!となってしまい、大きくショック。
 
④KEY
実は最後の最後に1曲ボツになり、急遽穴埋め的に入れた曲。そのためここでギターは弾かずに歌だけにしようと思っていたのですが、やはり寂しいので結局ギター弾くもソロでミスる。
 
⑤DISASTER BABY
この中では最初の方に作っていたのと、一番難しいという認識だったので練習量が多く、結果的に一番ミスが少なく出来たかな?
 
⑥Boys&Girls
MCでも言った通り、桐島かれん期のミカバンドは今でも大好きで、ぜひやりたかった1曲。しかし耳コピがとにかく大変だった・・・。特にバックで弾きまくる高中ギター。無理して原曲通りにしなくても良かったんですが、ないと物足りないし、負けた気(何に?)がして頑張った。
しかしギター、この曲だけ1カポなのを忘れて、弾く直前に気が付いて慌ててカポつけるという、リハでやったミスをここでもしてしまう。
 
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という訳で、人生初のライブは結果として事故多発の何とも悔しいものになってしまい、YouTubeに上がった配信動画は悔しさと恥ずかしさで一度しか観ることが出来てないです。
 
本来なら本番で100%出すなら練習では150%くらい出来て初めて出られるようなものだと思うところが、そこまでの準備が出来てなかったので当然といえば当然の結果。
迷っていたところは全てミスとなって表れてしまった。
 
こんな自分を出演させて下さった主催者の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、それでも皆さんから優しく暖かい言葉をかけて頂いて救われました。この場を借りて感謝申し上げます。
 
ただ、自分自身の事だけをいえばいっぱい傷を負いながら(苦笑)大きな一歩であったのも事実。一層音楽に対してやる気が増した。
 
後半の「セッションタイム」に参加したのも大きく、微力ながら他の方々とバンド形式で演奏をして、バンドを組むのもいいなぁと思ったり。
やはり一人では成長するにも限界があるし、このコーナーはまた参加したい。
 
終演後、撤収作業をお手伝い。そこでも色々な方と交流が出来た。
とてもアットホームで優しい方ばかり。最初に出たのがこのイベントなのは幸運だった。
 
YMNのチャンネルに配信動画がフルサイズで上がっています。僕の出演部分は正直あまり見て欲しくはないのですが、他の方々は皆素晴らしいのでリンク置きます。


www.youtube.com